節分も終わり立春も過ぎ少しづつ日照時間が長くなって参りました。

梅の花が至る所で蕾を咲かせその訪れを知らせてくれます。

 

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さて私事ではありますが、今月から弊社に勤めさせて頂くことになりました。

まだ一進一退の繰り返しで少しずつ仕事をこなせるよう努力している次第です。

未だ茫漠とした春の宵を彷徨い歩いているようで拭えぬ不安と立ち昇る期待の中とが胸の内を交錯しています。

そんな自分の心を艶やかに、濃やかに写し取るかのように梅の香りが通り過ぎていくようです。

話は少し変わりますが、ブログのタイトルである和歌は凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)が詠ったといわれる和歌で古今和歌集に収録されてます。

意味は「(闇とはあらゆるものをすっぽりと隠すものだが)春の夜の闇はどうも筋の通らないことをしている。梅の花の、色こそ見えはしないが、その香は隠れているか、いや隠れていないではないか。」となっております。参考 

「春の夜の闇」を擬人化することでより一層梅の香りが強調されている様子がうかがえます。

 

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そして能楽「東北」においてこの和歌が引用され、歌舞の菩薩となった和泉式部が歌い上げその後「げにや 色に染み 香に愛でし 昔の」と続けます。(訳まことに恋の色香になじんだ昔が)

 

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和歌の作者である凡河内躬恒も詠者である和泉式部も恋慕を抱きしめ闇の中でも燦々と輝くように香る梅に風流を解し、感応したのでしょう。

みなさんも彼らのように闇の中…ここでは敢えて、理想と現実の狭間での苦難——と表現したほうがいいかもしれません、その中で一縷の希望の光や微かな温もりを感じたことはありませんか。

私も暗中模索の日々の中、せわしなく過ぎる日々の中、梅の香りが春の温もりと未来への希望を運んでくれるそんな気がしています。

まだ肌寒い日々が続いていますが、皆さんにとって実りの多い花の盛りを彷彿させるそんな梅の香のようなささやかな幸いがくることを願っています。

 

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